No.012「第11話:夏休み特別企画 白さん流のコーチングその三、ゲストの思い出」



今回も、白田さん通称「白さん」のお話です。
当時、私の先輩トレーナーの宇田ルリさんから聞いた白さんらしいお話しです……。

クロストレーニング先のゴーカートのアトラクションは、ご存知の方もいらっしゃると思
いますが、比較的操作の簡単なゴーカートです。

コース上にガイドレールがあり、そのガイドレールから外れないようになっていまから
、車の免許を持っていない人でも運転できるわけです。

運転方法も簡単で、通常の車と変わりません。唯一変わるのは、ペダルが一つと言
うところ……。ペダルを踏めばアクセルとなり前へ進み、ペダルを放すとブレーキがか
かるわけです。

しかしこれも、なれないと頭の中がゴチャゴチャになり、止まりたいのにペダルを踏
んでしまい、さらに加速して前のゴーカートへ追突してしまいます。

実はこの追突で首を痛めるケースもあるので、私たちスタッフは乗降エリアの手前で
必ず、一旦ゴーカートを停止してもらいます。その後、私たちスタッフが乗降エリア
までゴーカートの横に乗って、ペダル操作をしながら、安全に乗降エリアへ誘導しま
す。

屋外のアトラクションと言うこともあり、今の時期のように真夏ともなると、立って
いるだけで汗が滝のように流れ、ゴーカートのエンジン音で、頭の中が「ボー」とし
てきます。

話はそんな暑い真夏のことだったようです。

その日、いつもと同じように宇田さんは朝から全快でお仕事をしていました。
しかし、照りつけるギラギラ太陽と、耳をつんざくようなゴーカートのエンジン音で
、どんどん集中力を奪われいきます。

いつもなら、強い精神力で集中力を保っている宇田さんでしたが、ちょうど集中力の
途切れたその瞬間でした……。

「ハ〜イ、ストップ〜〜ゥ ペダルから足を離してくださ〜い」

ガッシャーン

突然、車のぶつかる大きな音が響きわたりました。
宇田さんはとっさに身をかわしましたが、集中力が途切れていたせいか、一瞬何が起
こったのかわかりません。

そして音がした方へ顔を向けると、前方に停車していたゴーカートに後方からゴーカ
ートが追突している図が目に飛び込んできました。

宇田さんはすぐに前方のゴーカートに掛けよります。

「大丈夫ですか?怪我はなかったですか?」
「大丈夫ですよ!!」
「本当にすみませんでした」

そして後ろのゴーカートにも行こうと目をやると、そこにはすでに白さんがゲストと
お話をしています。

実は大きな音がした瞬間に白さんも掛けつけていたそうです。

運良く怪我もなく、宇田さんと白さんで一緒にそのゴーカートを乗降エリアまで誘導
し、ゲストは笑顔で帰って行きました。

しかし、宇田さんの心の中では、きっと白さんに叱られると思いながら仕事を続けよ
うとすると、交代のスタッフが現れ「宇田さん、白さんが呼んでるから交代するよ」
とポジションを代わってもらいます。

がっくりと肩を落とし白さんのところへ行くと、白さんが宇田さんに掛けよります。

「宇田ちゃん大丈夫か、白さん心配しちゃったよ!!」
「はぁ……すみませんでした……」
「ねぇ宇田ちゃんなんで白さんが心配したかわかる?」
「…はぁ 私がゴーカートに引かれたんじゃないかと思ってですか?」
「そう、白さんね、宇田ちゃんがゴーカートに引かれて怪我したんじゃないかと思っ
 て……もう、心配しちゃったんだよ。でもなんともなくて白さんホッとしたよ!!」
「すみませんでした……」

「あともうひとつ、白さんが心配していた事があるんだよ。宇田ちゃんわかる?」
「もうひとつですか?」
「そう、宇田ちゃんが引かれるんじゃないかと同じぐらい心配してたこと……」

「うーん。ゲストが怪我をしたんじゃないか?ですか?」

「そう!!それも心配だったよね。
 白さんが心配していたのはそのゲストの思い出なんだよ!!」

「思い出……ですか?」

「そう!!だって今までパークの中で、楽しい思い出でたくさんつくったのに、このア
 トラクションにきて、ゴーカートのお姉さんを引いちゃったとしたらさぁ……。今
 までの思い出がなくなって、このパークでゴーカートのお姉さんを引いちゃったっ
 て思い出しかなくなるでしょう。そしたら楽しい思い出でじゃなくなっちゃうでし
 ょ!!」


私がこの話を初めて聴いた時、正直びっくりでした。
だって、ゲストの思い出のことを心配していただなんて……。普段はえらそうに「ゲ
ストの立場たって……」と言っていた自分がとたんに恥ずかしくなりました。

その後、白さんと宇田さんで今回の追突の原因はどこにあったかを考えたそうです。

「宇田ちゃん、何で今回の追突が起こったと思う?」
「……」

「私がだれていて、ストップサインが中途半端だったからだと思います」
「そうだよね!!白さんね、追突が起こる前に宇田ちゃんを見ていて、ちょっと普段よ
 りも元気がなくなってきたなぁって思ってたんだ。だから、励ましにいこうと思っ
 た瞬間に、追突しちゃったんだ」

「宇田ちゃんごめんね、もっと早くに気がついてあげればよかったよね」
「それでね白さんなりに、本当の原因は何だったのか考えたんだ。何だと思う」

「……。わかりません」
「白さんが思うに、あの時の宇田ちゃんのストップサインには、愛がなかったんだと
 思うよ」
「愛!?ですか?」

「そう!!いつもだったら、指先までしっかりと愛を持ってきちんとストップサインを
 出すでしょ。だけどさっきの宇田ちゃんのストップサインには、指先まで愛が行っ
 てなかったんだと思うんだよ。」
「だからこれからは、指先にも愛を!! ねっ!!これでがんばって行こうね!!」

これをきっかけに、私たちは毎朝、朝礼の時に「今日も元気に追突ゼロ!!指先に愛を
!!」と全員で声にだし、ストップサイン(腕を上と横にまっすぐ出す)を練習してか
ら現場に出るようになりました。

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2005年06月15日 00:49 |メールマガジン(バックナンバー) | トラックバック(6) コメント(0)



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