No.014「感謝の号外:一番大切なものだけでいいんだよ(大切なのは何か)」



今回のお話は、当時私が20歳ころ私が晴れてトレーナーとしてデビューする前の面
接でのお話です。

トレーナーとは、各現場において新人スタッフが入社してきたときに、マンツーマンの
トレーニングを担当し、現場での作業の仕方からこのパークのスピリッツにいたるま
でを教育する役割です。

特に新人スタッフの入社がないとき(トレーニングのない時)などのトレーナーの役割
は、一般スタッフと同じように働き、常に一般スタッフの見本となりリーダーとして責
任者を補佐することが日常業務です。

この役割は、人事制度にもリンクしていて、アルバイトであれば、時給も上がり新し
い契約となるわけです。

トレーナーになるためには、現在所属しているアトラクションの責任者の推薦と、他
のアトラクション経験も必要で、なおかつ人事考課も良好でなくてはなりません。人
にものを教えるという役割ですから当然ながら、非常に厳しい条件があるわけです。

事実、私がトレーナーになる半年前のこと、非常に遅刻が多っかたため、せっかく責
任者の推薦があっても半年見送られ、その半年間遅刻も欠勤もしては駄目と言う条件
でした。

さらに細かく言うと、トレーナー資格を得るためには、トレーナー候補者がサービス
向上などのキャンペーンなどを行い、そのキャンペーンを実施した結果、所属してい
る従業員のサービスが向上したなどの結果も得られなければならないという厳しいル
ールもあるわけです。

そんなこんなで、何とかトレーナー候補になると最後に担当のスーパーバイザー面接
が待っています。その面接に用意するものとして、「このパークのスピリッツ」「運
営理念」「担当アトラクション全ポジションの標準作業手順」の3つを詳しくレポーテ
ィングしておかなければなりません。

それが、会社として紙面でトレーナー職をゆだねる判断材料になるわけです。

過去に受験勉強もしたことのない私は、まず本屋で国語辞典なるものを始めて購入し
、レポート用紙に下書きを始めます。なれない文章と格闘すること丸3日間。夜も眠
らず(ちょっとオーバーか!!)やっとの思い出書き上げたのです。

それまで宿題もしたことなければ、文章も書いたことのない私は、完成した3つのレ
ポートに自分自身感動したのを覚えています。

いよいよスーパーバイザーとの面接の当日、私は意気揚揚と自分のレポートを握り締
め面接の部屋へ。

今回私の面接を担当するのは、見るからにいかつい顔の坂倉さん。(ごめんなさい)

普段はとてもやさしい方のですが、曲がったことが大嫌いな、怒ると怖いスーパーバ
イザーです。

部屋に入るとまだ、坂倉さんの姿はなく、早速出来上がったレポートをチェック。そ
して何を聞かれてもいいようにとレポート内容の暗記を始めました。

遅れること15分くらい(他のアトラクションで故障が発生したらしい)、部屋に入
ってきた坂倉さんから話はじめます。

「さぁ香取さん始めましょうか」
「ハイ!!」

(そしてこの直後、ショッキングな出来事が……)

「じゃぁ最初に、レポート持ってきた?」
「ハイ、持ってきましたよ」(レポートをこれ見よがしに坂倉さんへ渡す私……)

坂倉さんは、私の書いたレポートをパラパラとめくり、そのまま隣のテーブルへ……
。私が丸3日間かけて、寝ずに書いたのに……。ぜんぜん見てないじゃん……。

「OK。こんなのは書けて当たり前だから!!」
「えっ……」(ガァーン!!)

「だってトレーナーになるぐらいなんだから、これくらいまとめられて当然でしょ」
「……えっ、それ見て何か、質問とかないんですか?」

「だって、これは予選だよ、きちんとレポート書いてくるかどうかの……。
 だから、今は必要ないんだよ!! 書くことで再認識できたでしょ!!山が外れたって
 感じ?」
「ハ・ハァ……」

「それじゃぁさ、早速チケットポジションを俺が新人だと思って教えてみな!!」
「チケットポジションですか……」
「準備はいい、よーいスタート」

もうっこうなったらやけだと思い、早速チケットポジションの説明を始めることにし
ました。

「それでは坂倉君、これからチケットポジションを教えるね。
 まずチケットポジションとは……。

(永遠としゃべり続ける私、それをじっと聴く坂倉さん)

 ……以上がチケットポジションわかった?」


「OK。今のでざっと25分。どう、説明していて気持ちよさそうだったね。
 今の説明で、新人の俺はチケットポジションは完璧に理解できたと思う?」
「えっ!?」

説明していた私は絶対に完璧だと思っていたのに……。

「はぁ、多分完璧ではないでしょかね……」

「そうかぁ。完璧なのはお前の話術だけだな!!
 初めて聴く新人には何が何だかさっぱりわかんないな」
「……」

「ちょっと思いだいしてみ!!お前が新人でトレーニングを受け終わったとき、完璧に
 全部覚えてたか?」
「……」

「だろう。初めて新人に全部覚えられるわけないんだよ!!」
「いいか香取、教えることが10個あったとするよな、その10個丸ごと教えてもせ
 いぜい覚えられるのは1個か2個だったろう。
 だったら最初から10個教えるんじゃなくて、そこで一番大切な1個を教えてあげ
 ることがトレーナーなんだよ」
「……」

「それじゃぁ香取、チケットポジションで一番大切な1個は何だと思う?」

「うーん……。
 笑顔で心からお客さんをお迎えできること。」

「そうだろ。じゃあ次に大切なことは何だと思う」
「チケットが確認できること」

「そうだよ。そうやって教えていけばいいんだよ。
 トレーニングはトレーナーの演説を聴いてもらうためにやってんじゃないんだよ」

「さっき、俺がお前の分厚いレポートを読みもしないで机に置いたよな。トレーナー
 はあのぐらいの知識は持っていて当然で、莫大な知識をどうやって、かみくだいて
 やさしく教えてあげられるかが大事なんだよ」

まさにその通りでした。きっと当時の私は知識だけを膨らました頭の大きい浮き男だ
ったのだと思います。(浮き男とは釣りの道具の丸い形の浮きのこと)

今考えると、坂倉さんのあの面接がなければ、しゃべりたい事だけしゃべって、受講
する側を考えない変なトレーナーになっていたことでしょう。

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2005年06月15日 00:55 |メールマガジン(バックナンバー) | トラックバック(6) コメント(0)



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