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2020年1月24日「すべらない話~そんなに喜んでくれるならもっとあげるよ~ん~」

これはもう10年前ぐらいの話です。
加賀屋くんと一緒にセミナーの出番をもらってて、一緒に帰ろうって時でした。
ちょうどその前に、面白い話を北川先生から聞いていたので、帰りの車の中で加賀屋くんにも話したんです。

「加賀屋、こないだね、北川先生から面白い話をきいたよ」
「え、なに?」
「神さんっておるじゃん、その神様が色々な奇跡やいい事を起こしてくださることがあるんだけどね。実は神様は、笑顔の人しか見えないんだって」
「えぇ~笑顔の人だけ
「そうなんだって、だから天から俺や加賀屋ことを見てて、笑顔だったりすると見えるから、神さんは嬉しくなってね。そうかそんなに人生楽しんでるのかって事で、もっと喜ばしてあげたくなって、奇跡や幸せを降らしてくれるんだって~」
「へぇ~そうなんだぁ~」

「らしいよ。だから、神さんがバチを与えるなんてことはほんとはないんだって。笑顔じゃない人、幸せそうではない人は見えないからね
「ほぉ~。そうなんだね。じゃぁ笑顔で居ないと神さまに気づいてもらえないんだ」

「うん、そうみたいだよ。だから、パチンコ屋さんに行って、出ろ出ろってしかめっ面の人は見えないから、出ないんだって(笑)。笑顔でやってたら出るんだよね~」
「ほんとに……。それはないでしょ」

「いや、これがほんとなんだよ。俺絶対に出るもんね」
「うそぉ~。絶対にないよ」
「よっしゃ、じゃぁ今からパチンコ屋で試そう、見ててみ絶対にでるから」

そう言って、加賀屋くんと二人でパチンコ屋さんへ

僕の座った横に加賀屋くんも座り、いざパチンコスタート
横に座った加賀屋くんは半信半疑で、僕の横でパチンコスタートします。

お互いに500円を入れてパチンコをしていると、早速僕の所にリーチっ

「ほら、見てろ加賀屋。ニコニコしてるから絶対にそろうぜ
「まかか~」
「……ほらキター
「……マジ……(-_-;)」
「なっ、キタろ。やっぱり神さんは笑顔の人しか見えないんよね。よし、帰ろう」
「えっ、まだ続きがあるよ」
「いいのいいの、神さんの話がほんとってわかればいいから」

そう言ってパチンコ屋を後に……。
加賀屋くんは目の前で起きたことにびっくりしてました。

そして数日がたったある日。
千葉を震源にした大きな地震になったんです。
TVからニュース速報で、千葉沖を震源にした大きな地震で、各地の震度が流れてきました。東京23区が震度3、浦安市が震度4。大きな地震だったなぁって思ってTVを見ていると、各地の被害状況が速報で流れます。

『……浦安市、負傷者1人……』
さっきの地震で怪我をした人がいるんだなぁって思ってました。

そして翌日、加賀屋くんとまた会うことに。

「加賀屋、昨日の地震結構揺れたよな大丈夫だった? なんかニュース速報で浦安市負傷者1人ってなってたもんね~」
「……香取、実はその負傷者……俺……」
「えぇぇぇぇぇぇ~」

「実はさ、こないだパチンコ屋に言ったでしょ。
それで、香取が神様は笑顔の人しか見えないとか言ってたじゃん、だから俺もさ笑顔でやってみようって思って、凄い笑顔でやってたんだよね。そしたらやっぱりそろったんだよ
「おぉ、でしょ~」
「でも、そこからが大変でね。
ほんとだって思って嬉しくて、もっとニコニコしながらやってたんだよね。そしたら昨日のあの地震……。
結構揺れたけど、777ってそろったから笑顔で揺れながらも打ってたんだよね。そしたらさ……」
「そしたら……」

「揺れが収まってしばらくしたら、天井から俺の頭にめがけてパチンコ玉が降って来たんだよ」
「えぇ~」
「そう、痛ててててぇ~ってなってね。他のお客さんなんか、俺の頭に当たって飛び散ったパチンコ玉を拾っててさ、痛いけどフィーバーしてるし、やめられないし、笑顔でやんないとって笑わないといけないしで……」
「なんで天井から球が降るの?」

「古いパチンコ屋さんだったからかな、天井に玉を通して各台におろしてたんだろうね、自身で天井にあったレールがずれて、そのパチンコ玉が溢れたやつが、ちょうど俺の頭の上の天井に集まって、そして重さに耐えられなくなって、俺の頭に直撃って事になったんだよね。それで、パチンコ屋さんはそのまま閉店。フィーバーした俺は、後日そこまで出ていた分の1回を清算しますんでって事で、一応大事を取って救急車で運ばれたんだよね~」
「……(笑) それで負傷者1人なんだ(笑)」

きっと神さんが天から覗いていて、加賀屋の笑顔がもの凄く嬉しかったんでしょうね。
そんなに球が出て嬉しいなら、もっと上げるよ~って降らしてくれたのかもしれませんね~(笑)


スベらない話〜「覆面レスラー」

僕の小中学生時代、将来の夢はプロレスラーになることでした(笑)。とにかく小学校の頃観ていたアニメは、タイガーマスクとあしたのジョー、大好きな映画はジャッキー・チェンに、少林寺、ブルース・リー。戦うことが大好きな小学生でしたから、金曜日の夜になるとテレビの前で、新日本プロレスを観て、土曜日の夕方になると全日本プロレスを観て、たまにテレ東でやってた国際プロレスに熱狂していたプロレス信者でした。
当然、小学校の休み時間は、教室、廊下、校庭、体育館、至る所でプロレスごっこ。
家に帰れば、友達の家に行き、友達の兄ちゃんが読んでるプロレス雑誌を皆で見ては、誰が誰より強い。いやいやそいつより、こっちの外人レスラーのが絶対に強いとか、毎日そんなことを繰り返してました。
そんな小学4年生のある日。
キーン コーン♪ カーン コーン♪
「よっしゃ〜、休み時間だ〜‼
お前ら昨日のタイトルマッチの続きやろうぜ〜‼」
「イイね〜。ギョウザ〜(僕の昔のあだ名)、今日は絶対ぇ負けねえかんな‼」
「おい、ちょっと待ってくれ、今日はお前らに見せたいもんがあんだよ‼」
そう言ったのは、学年イチプロレスが大好きで、プロレスの事なら何でも知ってるフクちゃんでした。
「何だよフクちゃん、休み時間終わっちゃうじゃねえかよ」
「まあ、待てよ。
俺なこないだから、家で作ってたもんが出来上がったんだよ。お前らに見せてやるよ‼」
フクちゃんが、そう言ってランドセルから出してきたもんに、一同言葉を失います。
「ジャーん‼」
「うぉぉぉぉぉ〜。
コレ、チャンピオンベルトじゃねえかよ‼」
フクちゃんがランドセルから取り出したのは、工作用紙と折り紙やアルミホイルを使って作った憧れのチャンピオンの証、チャンピオンベルトだったんです。
「やっぱ、フクちゃんスゲぇ〜。
俺もベルト作りてぇ〜な。フクちゃん作り方教えてくれよ〜」
「俺も‼」
「俺も‼」
「わかったよ、そしたら今日学校終わったら、俺んち集合な‼」
「よっしゃー‼」
こんな感じで、商店街の文房具屋で工作用紙や折り紙や必要なもんを買って、フクちゃんの家でチャンピオンベルト作りが始まったりしてました。
ホント、小学生の男子はアホですね〜(笑)
チャンピオンベルトが出来上がると、今度は覆面を作ろうって事になるんですが、母ちゃんのストッキングをもらって穴あけて、そこにマジックで模様を描いて……。
しかしそこは小4の男子、頭の中のイメージと、出来上がった実物は雲泥の差……。
被ってみたら、ドリフターズのコントのように、銀行強盗役の志村けんそのもの(笑)
皆で大笑いでした。
そしてお正月が過ぎた頃、それぞれがもらったお年玉を持って、フクちゃんが調べてくれた、プロレスファンも納得の覆面ショップへ
僕を含めて6人の小4男子が、チャリンコを何時間も漕いでフクちゃんの調べてくれた覆面ショップに無事辿り着いたのです。
予想に反して、結構値段の高い覆面。お金持ちの柿田くんはお年玉に物を言わせて一番高いタイガーマスク。貧乏だった僕が買えたのは、100の顔を持つ男と言われ、チャンピオンにもなった事のある、ミルマスカラス……ではなく、その弟、ドスカラスと言う、ちょっと地味な覆面でした。
それでも、6人がそれぞれお年玉で買った、覆面を被って自転車を漕いで無事にフクちゃんちまで帰宅。途中、何人もの人が振り向き、すれ違う車の人達は間違いなく二度見、信号待ちのお婆ちゃんからは、「あらまっ」ってびっくりされながらも、気分はすっかり覆面レスラーそのものです(笑)
そして、フクちゃんの家で僕らは誓いを立てました。
「いいか、もう俺たちはもうただの小学生じゃねえんだ」
「そうだよ、俺たちは覆面レスラーだもんな」
「そう、これから先は、何があっても誰にも、素顔を見られてはいけないんだぞ」
「おう、覆面を取っていいのは、風呂に入る時と寝るときだけだかんな‼」
「よし、わかった。そしたら明日の始業式からは、学校でも覆面レスラーとして生きてこう‼」
「おう‼」
とにかく今考えるとアホなんですが、当時は真面目に覆面レスラーになっているので、冬休みが空けた、翌日の登校日初日から覆面を被って登校することに‼
当然、朝イチの班登校の集合場所では、注目の的に。
上級生からは
「香取っ何やってんだ 覆面取れっ‼」
って言われたり、下級生からは
「あっ、マスカラスの弟だ‼」
「香取くん、なんでお面つけてんの?」
とか……。
それでも前日に仲間と交わした約束を守るため、小さな声で
「オレ メキシコ キタ ニホンゴワカラナイ」
とにかく皆大騒ぎでした……。
それでも、覆面の上に校帽をかぶり、ランドセルを背負って登校班の列に並び、下を向きつつ登校する当時4年生の香取少年(笑)
途中で他の仲間と通学路で一緒になると、6人全員が同じように覆面の上から校帽をかぶり登校してきた事に、やっぱり俺たちは覆面レスラーだなと、言葉を交わさずとも、目と目で通じ合ってました(笑)
そして、教室に入るなり、クラス中から6人が注目の的に。
「えっ何だよお前ら‼」
「ねぇねぇ、フクだよな、覆面取れよ」
「香取ぃ〜、マーボも何やってんだよ」
「いや、俺たちはメキシコから来た。
香取でもマーボでもない‼ 文句があるやつはかかってこい。いつ何時、誰の挑戦でも受ける‼」
クラス中が「……」です。
それでも、ココまで約束を守って来た6人の結束は更に強いものに。
「いいか、俺たちは覆面レスラーだ。昨日約束した通り、素顔も正体もバレてはいけないんだぞ。どんな事があっても貫くぞ‼ それが闘魂だぞ‼」
「オウっ‼」
キーン コーン♪ カーン コーン♪
〜ガラガラ〜
「よ〜し、皆おはよう〜
始めるから、席につけ〜‼」
「ハイ、じゃぁ〜日直‼
うん、ちょっと待て、香取、中里、田中、それから、岡村、山田、柿田、お前ら何、かぶってんだっ‼
その覆面はずせ‼」
「……」
「たっく、はずせって言ってんだろ‼」
「うわっちょっと、俺たちはメキシコから……うわっ素顔が…」
「ほら、お前も外せって‼」
「…先生、やめてください」
「香取、お前も外すんだよ、ほらっ」
「いや…ワタシハ メキシコ カラキタ ……」
「何をゴチャゴチャ言ってんだ‼」
いつ何時、誰の挑戦でも受ける……。
僕ら6人の覆面レスラーの夢は先生が現れてわずか数十秒で終わったのでした……。
その日、先生に没収された、お年玉を全部使って買った大切な覆面を返してもらえたのは、5年生になってからでした……(笑)
ちなみに、3学期最初の学級通信には、学校に関係ないものを持ち込ませないように。そして、覆面登校禁止と書かれていました。
あっ、フクちゃんだけは、腰に巻いていた手作りのチャンピオンベルトも一緒に没収されてましたが(笑)


「スベらない話 サービスリカバリーポップコーン」

皆さん、ファーストフード店やフードコートなんかで、子供達が注文した食事を運んでる時に、『危ないから気をつけて運ぶんだよ』って言ってる側から、ドバァッてこぼされたりした経験はありませんか?
今日はそんなお話です。
僕の所には、長男の虎之介、長女ひかり、次男の銀次郎の3兄弟です。まだ虎之介が小学校の低学年ぐらいで、ひかりが幼稚園、銀次郎が赤ちゃんだった頃に、家族皆でディズニーランドに遊びに行きました。
色んなアトラクションに乗ったり、ショーを観たり、とにかく思っきり楽しんでました。
ちょうどファストパスのアトラクションの開始時間が過ぎていたので、近道をしようとウエスタンランドの所を歩いてる時でした。
「ひかりね、ポップコーンが食べたいの……」
「もうすぐご飯だし、今食べたらご飯食べられなくなっちゃうよ‼」
「…大丈夫、食べるもん。ねっ、ポップコーン買って〜」
始まっちまいました……。
なるべく子供たちの目に入らないように入らないようにと、ポップコーンワゴンのないとこを通っていたつもりだったんですが……。
もう、こうなると止まりません。当然お兄ちゃんも始まります。
「僕もポップコーン食べたい‼」
「ポップコーン、ポップコーン、ポップコーン‼」
……もう、どうにもならないので、仕方なくポップコーンを買え与えることになるのですが、ここからが大変です。僕が働いていた頃はポップコーンと言ったら“塩”しかなかったのですが、今はキャラメルだの、カレーだの、ハチミツだの、クリームソーダーって、誰か食うんだよ(笑)
今度は味で兄弟がもめだします……。
「ひかりはキャラメルがいい\(^o^)/」
「えっ、キャラメルヤダー。ハチミツのやつがいい〜」
調べると、一番近いのは塩味、他のはこれから向かうアトラクションとは真逆の位置に……。しかし、ココで妥協してしまったら、子供たちの歩くスピードでは、ファストパスの終了時間に間に合わない……。
もう、ここは強引に行くしかありません。
「父ちゃんは塩、他のはもう終わっちゃったみたいだよ」
「えぇ〜なんでぇ?」
「品切れなんじゃねえか‼ なっ、だから今日は塩で我慢しろよ〜。そんなに味も変わんねぇからよ」
「えぇ〜ヤダー‼」
「もう、うるせっ、塩って言ったら塩なんだよ」
最後は強引に味を決めて一番近いポップコーンワゴンへ。しかしここでも一難去ってま一難……。並んでる途中で見つけちゃうんですね〜バケツ……。
「ひかり、あのおっきいやつがいいの‼」
「はっ‼ あんな大きいの食べきらないし、だめだよ」
「えぇ〜兄ぃにと、一緒なら食べれるよ。ねっ兄ぃに?!」
こういう時に限って兄妹って結託するですよね〜(笑)どんなに、紙の小さい方だったら2個買ってあげるって言っても無駄でした……。嫁に助けを求めますが、俺が許したんだからねと言わんばかり……。
それにしても、あのポップコーンバケツって、なんであんなに高いんでしょ(笑)
仕方なく、ひかりの選んだポップコーンバケツに塩味のポップコーンがなみなみとつがれ、お姉さんがひかりの首にかけてくれました。
なんだかんだありましたが、娘の嬉しそうな姿を見ると、親バカな自分も幸せなんですね〜。
さぁ、次のアトラクションへ急ごうと言うことで、歩き出しました。
しばらく歩いていると、ベビーカーを押す俺の後ろで何やらお兄ちゃんと妹でモメ始める声が……。
「なんでひかりばっか持ってんだよっ‼
貸せよ‼」
「イヤだっ‼ ひかりがお姉さんからかけてもらったんだからねっ」
見ると、ひかりの首にかかってるバケツを、お兄ちゃんの虎之介が引っ張っています。嫁さんもやめなさいって声をかけますが止まりません……。
「おい、コラっ、ヤメろっ‼ そんなに引っ張ったら外れちま……あっ」
お兄ちゃんがバケツを無理矢理に引っ張り、ひかりもお兄ちゃんに取られまいと身体をひねったその時でした。
バケツのヒモが外れ、バケツが一瞬、宙に浮いたのです。
そん時の俺にはスローモーションで、宙に浮いたそのバケツから、今さっき買ったばかりのポップコーンが大量に飛び出し、バケツと中身のポップコーンが地面にバラまかれてしまいました……。
……ち〜ん。終わった(心の声)
「だから言ったじゃねえか‼
なんでお前は引っ張んだよっ
こんアホっがっ‼」
「……(全員)」
完全にブチギレる俺。
俺が子供にブチ切れた事に呆れ、ぶちまけられたポップコーンを集めて捨てようとする嫁さん。
怒られてしまうと言う恐怖と、せっかく買ったのに食べられなくなる悲しさで、涙目の子供達。
これまでの楽しかったはずのディズニーランドが、悪夢に変わろうとしたその時でした。
白い服の妖精が、ホウキ(トイブルーム)とチリトリ(ダストパン)で、ぶちまけられたポップコーンを、華麗な早業で、拾い集めます。
シャカシャカシャカ
あまりの早ワザに家族皆が、そのカストーディアルのお兄さんに釘付けです。向こうも、注目されているのがわかるんでしょうね。色々な技を披露してくれます。
掃いたポップコーンで、自分の股下を通したり、最後には、ホウキでポップコーンを上からポンッと突っつくと、ポップコーン宙に舞い、舞ったポップコーンをチリトリですくって終了‼
「おぉ〜‼」
気がつくと家族全員が拍手?
さっきまで父ちゃんブチ切れで最悪だった雰囲気はどこへやら。
カストーディアルのキャストも軽く頭を下げてひかりの前にひざまずき何か話しています。
「お嬢ちゃん、ポップコーン少なくなっちゃったね」
「……うん」
「大丈夫だよ、お兄さんが新しいポップコーンを足してあげるからね」
「えっほんと、ヤッター(^^)」
「じゃあ、魔法のカードに書くから、お名前教えてくれる?」
「うん、ひかり‼」
「ひかりちゃんだね。ポップコーンのお味は…」
「キャラメル〜‼」
(一同……はっ?!)
一瞬の間があって、お兄さんが何か書いていたのをやめて、もう一回聞いてきます。
「そっか……キャラメル味……だったのかな?」
「うん、キャラメル味〜(^^)」
「…よし、わかった。キャラメル味のポップコーンを足してきてあげるから、ちょっと待っててね」
どう考えても味はキャラメルではありません。バケツに残ってるポップコーンも、今キャストがお掃除してくれた、ぶちまけられたポップコーンも、見ればわかります。キャラメルのかけらもなく、真っ白……。
それはキャストのお兄さんにもわかってるはずですが、幼いひかりの満面の笑みと、期待に満ちた眼差しで、キャラメルって……お兄さんもこれには負けたのか、俺のところに来て、キャラメル味はちょっとだけ離れた所にあるから、少しお待ちいただけますか?と……。顔から火が出るとはこの事です。俺も嫁も顔を真っ赤にして、ただうなずき頭を下げるしかありません。
しばらくして、お兄さんがポップコーンバケツを持って現れます。
「ひかりちゃん、お待たせ〜。できたてだから美味しいよ、ハイ‼」
「ありがとう\(^o^)/」
俺も嫁もカストーディアルのお兄さんに、深々と頭を下げお礼を言いました。
まさかの素晴らしい神対応です。
「それじゃあ、ひかりちゃんこの後もいっぱい楽しんでね〜バイバイ〜」
「お兄さんありがとう〜バイバイ〜」
お兄さんが去って、歩きながら聞いてみました?
「ねぇ、ひかり、なんでキャラメルって言ったの? こぼしたやつは塩味だったでしょ?」
「だって、ひかりキャラメル味が好きだから」
「いやいや、そうじゃなくてさ……」
するとお兄ちゃんが思いついたように
「あっ僕、いいこと思いついた‼
ひかり、ポップコーンを全部、食べ終わる前に、もう一回お掃除の人の前でこぼしたらいいんだよ‼
そしたらまた満タンにしてもらえるじゃん。だから今度はハチミツ味って言うんだぞ‼」
「うん、わかった。ハチミツね‼
兄ぃに、キャラメル味美味しいね〜」
アホかっ、もうヤメローーーーーー‼
たまたま買ったバケツは、半透明で中身が透けて見えてます。
ひかりの首からは、下半分が真っ白のポップコーン、上半分がちょっと茶色のポップコーン。見事にハーフ&ハーフのポップコーンバケツになりました(笑)