Monthly Archives: 1月 2019

「相手の立場に立って考えるだけじゃダメ‼」

僕がディズニーランドを卒業して、コンサルタントの会社に入れてもらい、多くのサービス業の所にお邪魔すると、新しく入ってきた新人スタッフや、リーダーが後輩スタッフに、サービスの意味を説明、教える時“相手(お客様)の立場に立って考えろ”って教えてるシーンをよく見かけるんですね。確かにそうなんですが、それだけでだと物足りないと思うんです。
僕も、講演やセミナーでディズニーのサービスをお伝えする時、サービスは大きく分けると、機能的サービスと情緒的サービスの2種類あって、機能的サービスは当たり前の事を当たり前にする事。情緒的サービスとは、お客様のあると嬉しいサービスなんだとお話させてもらっています。
なので、相手の立場に立って考えるサービスは、情緒的サービスって事になるんですが、これを教える時に『相手の立場にたって考えろ』だけで終わってしまうと、受け取る側はそれを素直に捉えて、自分なりの経験や体験の中から、相手の立場に立つと、こう言う事かなって実践してくれる訳です。
しかしココが問題で、人によってこれ迄の体験や経験したことは違うわけで、A君B君C君が居たときに、それぞれバラついてしまったり、伝える僕ら側の相手の立場に立ってと、伝えられた側の相手の立場に立ってに差が出てしまうんです。
すると伝える側の基準に達っしてないもんは、ダメでこれぐらい頭で考えればわかんだろってなったり、A君は良くてB君とC君は使えねえなって事になったりしてしまうんです。
僕がディズニーでトレーナーになった時、教えてもらったのは、相手の立場に立って考えろだけでは駄目だよって事でした。
何故なら、ディズニーのあるアメリカでは、人種が違うから、相手の立場には立てないんだって事でした。ちょっと悲しいけど黒人は白人の立場にはなれないし、チャイニーズは白人の立場にはなれないと、住む場所や使える施設さえ違うわけで、だからアメリカでは、相手の立場に立って考えろは不親切だと。
でもコレは、単一民族の日本でも同じことが言えるんじゃないかなって思うんです。年齢が違えば、考え方も見てるものも違うし、感じ方だって違うんです。流石にしゃべる言葉は同じでも、若い子達が使ってる言葉は、俺らオッサンには理解不能ですもんね(笑)
だから、具体的に教えなさいと、それは具体的な相手の立場がわかるようなエピソードとしてトレーナーの僕らが話すんだよって事でした。
トレーナーがエピソードを話す事で、実際に映像が浮かぶんだと、その映像が浮かんだ時に、初めて相手の立場に立って考えるって言うのは、こう言う事なんだなって理解し、次からは同じように考え実践できるようになるんですね。
ちょっとこの辺の事を、明日は具体的に書いてみようと思いますね。

「栗城…ゴメンな」

一昨日から、心の奥の奥が、何かモヤモヤです……。
14日の夜、NHKスペシャルで栗城の番組を観ました。そして、何度も何度も観ました……。
番組の中では、栗城の挑戦は何だったのか?
そして、何故栗城は死んでしまったのか?
今となっては最後の挑戦になってしまった去年のアタック前、俺は栗城とドリプラを盛り上げる為に、俺らコメンテーターで何かできる事はないかって、栗城本人から連絡がありました。
その時まで、栗城がドリプラにそんなにこだわりがあるなんて思ってなかったからスゲェ驚いたし、電話でドリプラは続けないと行けない、どんな事があっても続けるべき価値のある物なんですよって、スマホの充電が無くなるくらい、電話で熱く語るのが俺の中の栗城は、もっとクールでそんなに思い入れを待つなんて思ってなかったから……。
でも、番組中でも紹介されていた、去年彼が強くこだわっていた“否定という壁”を無くしたいって言う事は、挑戦すればするほど増してきたドリームキラーによる誹謗中傷、否定のコメントの数々……。反比例するように、応援コメントの減少……。
彼の中で、本当の辛かったから、ドリプラのように、相互に支援、応援し合う社会が理想だったのかなって思う。散々否定し続けられてきた彼だから、ドリプラを通して否定という壁を壊したかったのかもしれない……。
そんな中、エベレストへの挑戦がはじまった。番組では応援のコメントは多いときから比べると、3割に減ってしまってたと……。
そこに焦りもあったのかもしれない。
そんなことを考えると、当時の自分の後悔が蘇るんだよね。どこかで、彼の挑戦の傍観者になってたんだと思う……。
応援してるからって言いながら、どこかで無関心になっていた自分がいたんじゃないか……。お前の挑戦観てるよって、もっと自分が行動してたら、無関心って言う最大の恐怖を和らげられたんじゃないか……。
結局、栗城を応援してるとか言いながら、実は無関心になっていた自分が居て、だったら最初から応援してるなんて、軽々しく言うんじゃねえよって……。そんな言葉が俺の中でぐるぐる回ってる。
本当の勇気は、どんなに不安でも、世間の風あたりが強くても行動し続ける事なんだって教えてくれたんだと思う。
栗城は最後まで諦めないで、挑戦し続けて人生を終えました。俺も、思い通りにならなくて、うまく行かなくて……ただ考えるだけで、何も動かなくて……。
悩んでたって何も変わらないんだよって、栗城が俺の頭の上で叫んでる気がしました。
愛の反対は無関心。
どんだけ頭で考えた所で、行動しなければ何も変わらないんだよね。
栗城、ゴメンな。
俺、もっと動くからよ。
“否定という壁”
“無関心と言う悪魔の自分”
変えるよ。行動するからよ。

「スベらない話ぃ〜‼」

もう何年も前のことなんですけどねぇ。
大阪に講演に呼んで頂いたんですが、その日も飛行機で羽田空港から大阪伊丹空港へ朝イチの飛行機で向かってたんです。
出発時間のギリギリまでタバコを吸って、搭乗ゲートへ向かうと、僕の数人前に大きな大きな背中が目に飛び込んできました。
やっぱりスゲェ人ってのは後ろから見てもオーラがあるもんですね〜。その大きな背中は、僕が小さい頃から大ファンだったあの人の背中。背中からでも誰なのか俺にはわかる‼
後ろからですが、ダークなスーツの首の所に、真っ赤なスカーフ……。そうです、元気ですかぁ? でお馴染みのアントニオ猪木師匠ではないですかっ‼
もう、この時点で見た目はオッサン、心は子供の香取くんですよ(笑)
憧れのあの人と一緒の飛行機に乗れる。
同じ空気を吸える。
ホントに出番をくれたてんてんに感謝ぁぁぁ〜。鼻血が出そうなのをこらえて搭乗しました。
猪木師匠は、もちろんスーパーシート。僕はエコノミー。だけど、やっぱり僕も持ってるんですね〜。なんと、取っていただいた席は、スーパーシートの真後ろのエコノミー最前列‼
僕は興奮が周りの人にバレないように、猪木師匠が座る席を確認、猪木師匠は窓側の前から2列目、おつきの人が通路側、さすがに闘魂ビンタは機内では無理だし、サインを貰おうにも、色紙なんて無いし……。それでも握手ぐらいはなんとかしてもらえるんじゃないかと思いながら、後はアプローチするタイミングをどうしようかと考えながら座席に座りシートベルト着用の合図。
『う〜ん、滑走路に向かってる今、席を立てば、直ぐにCAさんに止められるだろうし、水平飛行になって、ベルト着用サインが消灯したら、すぐさまスーパーシートとエコノミーの間にカーテンを閉められ進入禁止……。
そうかと言って、飛行機が大阪に到着すれば、前に座ってるスーパーシートのお客様から出ていき、きっと追っかけて行っても他のファンに囲まれて、握手なんてしてもらえないだろうし……。』
そんなことを考えてる間に、飛行機は滑走路を全速力で走り出し、そのまま上昇〜‼
『うぉぉぉ〜どうする香取ぃ〜。考えろ考えろ〜』
そしてここで腹を決めました。
水平飛行になり、ベルト着用サインが消灯したと同時に席を立ち、トイレに行くふりをしながら、カーテンの先に行き、トイレから出てくる時に、たまたま猪木さんを見つけた感じでアプローチできれば……。よし、これしか他に方法は無いと言い聞かせ、いざ実行‼
ベルト着用サインがポンっと言う音ともに消灯するやいなや席を立ち、カーテンで仕切られる前になんとか前方のトイレへダッシュ‼
すぐさま前方からCAさんが
「お客様ぁぁぁ〜」
「すいません間に合わないんです〜」
と言いながら、横目で猪木師匠の座席の位置と、様子を伺いながらも、なんとかトイレに駆け込み第一関門突破‼
トイレで息を整えながら、さっき横目で確認した猪木師匠を思い出します。座席の位置も大丈夫、寝てなかったし、ここから自分の席に帰りながら、アレって感じで……頭の中のシュミレーションはOK。
いざ、トイレの扉を開けて、通路を進みシュミレーション通りに、アレって猪木師匠に気づいたフリ。
しかしここで、僕が気づいた事を察したおつきの人が警戒。ヤバイと思いながらも勇気を出して
「あっあの、いっ 猪木さんですよね?」
すぐさまお付きの人が俺の事を制してきましたが、ココで引き下がるわけには行かないと
「自分、小学生の頃から大ファンで、握手してもらえませんか?」
「すみませんね、今はちょっと」
お付きの人が制してくるんですが、僕の熱意が伝わったのか、猪木師匠自ら
「あっいいよいいよ」と手を出してくれるではありませんかぁぁぁ〜。
「ありがとうございます」
と言って手を握った瞬間、自分も嬉しさと緊張と、テンパったんでしょうね。聞かれてもないのに。
「あっあの……元気…ですよ」
近くにいる他のお客さんが思わず爆笑。
お付きの人も飲み物を吹き出しそうになってました(涙)
でもさすが師匠です。大きく笑って力強く僕の手を握り。
「はははっ、元気ですか(笑)」
僕は顔を真っ赤にして、頭を下げて自分の席に戻りました(笑)