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2020年3月4日「介護や福祉は仮の姿 もう感動創造企業だよ①(他社事事例)」

山形にある“医療法人社団みつわ会”という法人をご存じでしょうか?

http://mituwakai.com/

4年前に、秋田県で行われた介護協会の勉強会に、このみつわ会の介護士さんが参加してくれていました。
講演会の後に、名刺交換をして、いつか自分の法人に来てくださいって言われて、凄く嬉しかったんですよね~。そして半年ぐらい経ってからかなぁ、事務長の佐藤くんから連絡をもらって、山形県鶴岡にあるみつわ会さんの所に行って、そこで働いている人たちの勉強会をさせてもらいました。

その日の懇親会も盛り上がり、別れ際に佐藤くんたちから

「香取さん、もう一回呼びますからね‼
その時には、絶対に『お前らの法人ヤバイな』って言わせますから」

って言われて、わかった楽しみに待ってるよ~って別れたんです。

そして去年、最初にみつわ会さんに行ってから3年が経ち、もう一度呼んでくれたんです。
ただ、僕は当時の佐藤君の言葉はすっかり忘れていたんですけどねぇ……ごめん(笑)

会場はみつわ会さんの施設でした。僕が到着すると、ミ●キーとミニ●が僕を待っていてくれて、BGMもディズニーの音楽が流れてて、ウェルカムボードにも、手書きで香取さんお帰りなさいって書いてくれてて、たくさんのスタッフが僕を笑顔で迎えてくれました。

確かに3年前も凄くあっとフォームなスタッフばかりで嬉しかったんですが、今回はもっとみんなの目が活き活きしてて、なんか違っていました。迎えてくれたミ●キーとミニ●に両手を組んでもらって会議室へ

「香取さん、3年前に分かれる時に、僕が言った言葉って覚えてますか?」
「へっ⁉ 言葉?
……ごめん。全然覚えてない……」
「わかりました。そしたら、香取さんにどうしても勉強会を始める前にこのビデオを観て欲しいんですよね」
「おう、いいね‼」

そして、映し出された10分ぐらいの映像に涙腺崩壊……。

皆さんはバウリニューアルウェディングってしっていますか?

それは、結婚している夫婦がもう一度、永遠の愛を誓いあうセレモニーなんですが、映像に移しだされていたのは、利用者さんのバウリニューアルウェディングでした。

きっかけは一人のスイッチが入ったスタッフからでした。
3年前に僕が勉強会をさせてもらってからちょっと経った頃、社内の介護士さんが結婚をすることになったそうです。それをディサービスの利用者さんが聞いていたようで

「ねぇ、○○さん、今度結婚するでしょ。聞いたわよおめでとう」
「あっありがとうございます」
「結婚式はどこでするって、もうきめているの?」

「まだですけど、お金もないのでささやかにやれたらなぁって思っていまして」
「そうなの。でもいいわよね。ウェディングドレスを着るのよね」
「はい、でも貸衣装ですよ(笑)」

「いいじゃない。
私の時なんて、ウェディングドレスなんて着たくてもきれなかったんだから~。
私も一度でいいからウェディングドレス来てみたかったわよ(笑)」

そんな会話を聞いてた、一人の介護士さんが事務長の佐藤君の所に来たそうです。

「事務長、3万円くれませんか?」
「えぇぇっ どうしたの?」
「ウェディングドレス買いたいんです。今からそこら中探してウェディングドレスを買ってきます」
「ちょっとまって、何があったの?」

驚いて佐藤くんがきいてみると、その看護師さんは結婚当時ウェディングドレスを着たくても着れなかった利用者さんに着せてあげたいとの事でした。それはもう凄い熱量で、思わず佐藤くんも分かったと言って3万円を渡しました。

そのスタッフは、その日のうちに貸衣装をしているお店を一軒一軒回って、中古のウェディングドレスを3着買ってきたんです。

さぁ、ここからが大変です。

ウェディングドレスを買ってきたのはいいけど、それをただ着せても楽しくない。感動を呼ぶサービスは+1、自分のできることに足すイチすること。

彼女は佐藤君たちと一緒に考え、何かウェディングドレスを着れるようなものはできないか?と考えていると、Hawaiiで行われているバウリニューアルウェディングを思いつきました。

その利用者さまには、旦那さまも居て一緒にディサービスを利用しています。
再度愛を誓うバウリニューアルウェディングを施設でやってみてはどうかと言う事になったんです。

手作りでお金をかける事は出来ないけど、みんなで気持ちを込めて、他の利用者さんやご家族を読んで、バウリニューアルウェディングをしてあげようと準備にかかります。

デイサービスですから、そもそもお体の不自由な方々がリハビリをする施設です。その利用者さまも、旦那様の方はほとんど身体も動きません。それでもバウリニューアルウェディングに向けて、リハビリにも熱が入ります。

そして当日、そのご夫婦のバウリニューアルウェディングが心あるスタッフのもと大感動で実施されました。
参加されたご家族を代表して息子さんが感謝のメッセージを読み上げ、会場は一気に感動に包まれて大成幸でした。

更に翌年は、このウェディングに参加された別の利用者さまから、私もやりたいとの声もあがり、2回目はもっと派手にやろうってこれでもかってくらいの温かいウェディングが実施されました。

しかし、ここでスタッフが気づくんですね。
やっぱりスイッチが入っているスタッフは素晴らしいですね。

「いやぁ、今回も本当に楽しかったよね」
「うん、ほんとに利用者さんも喜んでくれてて、最幸だったよね」
「……でもさ、一番幸せを感じたのは、バウリニューアルウェディングを体験した方たちもだけど、それを実行させてもらった私たちなんじゃないかな?」
「確かに、それ私も思った‼」
「だよね~(全員)」

ここで幸せの本質に気づいたんです。
幸せは自分が何か嬉しいことをさせてもらった事も嬉しいけど、それよりも大切な人が心から喜んでいることをさせてもらっている自分たちが、最も幸せを感じているんですよね。

そこで3回目は、自分たちだけで準備をして当日行うのではなく、利用者さまにも準備から当日の運営までを手伝ってもらったらいいんじゃなかいかって事になりました。

早速、利用者さまに声をかけてみたそうです。
すると、利用者さまの中には、昔は和菓子職人だったり、オペラを歌っていた方だったり、そんな事がわかってきたので、ウェディングケーキを作ってもらったり、讃美歌の聖歌隊に入ってもらったり、利用者さまそれぞれにバウリニューアルウェディングの担当をしてもらう事になりました。

すると、人間は不思議なもので、それまで頑張ってリハビリをしても、中々腕が上がらなかった利用者さまの腕が上がるようになったり、どんどん元気になっていったそうです。
目的があったり、自分に役割があって、自分自身が誰かの役に立てる実感を持つと、人間は元気になっていくんです。

こうして、このみつわ会さんでは、利用者さんのバウリニューアルウェディングを、他の利用者さんと心あるスタッフのみんなで作り上げているんですね。

ここまでくるともう、ヤバイ法人ですよね。
彼らがやっている事は、介護や福祉と言う仕事そのものは仮の姿で、やっている事の本質は感動創造なのではないかと思いました。

「もうさ、介護や福祉は仮の姿だから、業種を感動創造業にしてしまえよ。
ほんと、お前らの法人、ヤベェな‼」

そう言って、別れました(^^♪

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